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子どもの学びは子ども自身の好奇心に任せばいいと思う。好奇心から始まる学びは身に付いてずっと覚えているから。逆に、強制的に学ばされるものは身につかない:理解が浅くて、すぐ忘れる。
例えば、私は16歳の時イギリスの公式算数試験で「A」を取った。内容は代数や三角法などで「A」を取ったなら解っているはずだ。でも今私は代数が解らないし、問題も解けない。2005年にイギリスの小学校教員免許を取ろうとしたとき、代数の知識は全くゼロから学んでいる状態だった。16才に覚えた内容を29才には完全に忘れていた。
改めて勉強すると初めて理解した所もあった。(16才にはそこまで理解していなかったが、29才のときに友達が説明してくれてかなりびっくりした「あっ!分かった!だからそうするのか!」と叫んだ)。その点を説明するために少し代数の説明させていただきましょうね。
代数で知りたい変数を計算するために数式を並び替える事がある。学生の頃から覚えているのはたった一つ、イコールの反対側に移動するとサインがかわる:マイナスがプラスになり、プラスがマイナスになる。
例えばこの数式
yを解きたいなら+2をイコールの反対側に移動し+2から-2にサインがかわる
16才の時に解き方は知っていたが、なぜこのルールなのかは全く理解していなかった。先生の指導の通りに問題を解いただけ。
本当の理由は、=だから何かを=右側にやるなら、=左側にもやらないといけない。そうしないと数式の意味はかわってしまう。だから上の例で+2を「=の反対側に移動している」のではなく両方から-2を引く。
これは代数の根本的な考え!これが解らなければ代数のほとんどが解るわけがない。学生時代の先生(ヘイ先生)は親切な方だったのでよく覚えている(まあ、代数の説明は覚えていないけど・・・)きっと代数についても丁寧に説明してくれたに違いない。だけど私はこの点を全く理解してなかった。代数に興味がなかったからだろうなぁ~どうやって「A」を取れたのだろう?
16才にこの理解が欠けた状態で問題の解き方だけを(意味理解せず)暗記し解いた。(繰り返して似ている問題を解くドリルの宿題もこのプロセスを促した)。これは本当の学びではない。本当の学びは、やり方の原則も理解する。
逆に、10歳に学んだBASICのパソコンプログラミング言語は今でも覚えているからこのプログラムが書ける
10 PRINT “What’s your name”
20 INPUT A
30 PRINT “Hello ”A
40 PRINT “How old are you?”
50 INPUT B
60 PRINT “Next birthday you will be “ B+1
70 IF B<20 PRINT “You’re still young!” ELSE GOTO 80
80 IF B<40 PRINT “You’re getting older!” ELSE GOTO 90
90 IF B<60 PRINT “You’ve got lots of experience!”
100 END
BASICが分からない方もいらっしゃると思うので意味を説明すると(BASICが分かる方は既にエラーを見つけているはず!後でその話をする)。このプログラムは名前聞いて挨拶してくれてから、年齢を聞いて、打った答えによって次の誕生日の年齢を計算してコメントも加える。例文にして分かりやすくしよう:
パソコン:お名前は?
入力:サイモン
パソコン:こんにちは、サイモンさん。何才ですか?
入力:41
パソコン:次の誕生日には42になる。年取ってきていますよね!
書いた後、http://www.quitebasic.comのBASICが使えるページにコピペして実行してみたら最初はエラーだらけだったが、原則を覚えているのでベルプページに参考してすぐ直せた(理解しているからステップを忘れても、原則から復元できるのが本当の学びの特徴一つ)。
では、10歳に学んだものは覚えているのに16歳の代数は覚えていない。なにが違うか?
BASICは自分で選択しやる気と好奇心から学んでいた事だけ。お家でもやりたかったから自らやっていた。本から技を学び家のパソコン(DRAGON32というやつ:メモリー32k、ハードディスクなし。インターネットはまだ存在してなかった!)で試したり、自分の考えたプログラムを作ったり楽しみながら編集しスムーズに動くようにしていた。大事な点はサッカーでも漫画でも何をやってもいい自由の時間に自ら頭を悩ませパソコンコードをいじる事をしていた。脳みそが動き学びは身について31年後でも覚えている。
逆に代数は学校で学ばされている。ヘイ先生の指導に従って問題を解いたけど、興味もなく学ぶ目標はただ怒られない事だった。何のために学んでいるかさっぱり分からなくて、私には意味がなかった。だから脳みそが動かず身に付かなかった。
重要なポイントは、私たちがどんなに子どもに学んでほしくても、その子ども自身が学びたいものしか本当の学びにはならない。自ら選ぶぐらいやる気がなければ、後で忘れる。もちろんその選んだ内容は(大人にとって)くだらないものもあるが、その子は楽しんでいる=価値がある:情報が役に立たなくても、想像力が鍛えられている。(子供の将来にこの学びが役立つ可能性もある:妖怪ウォッチの詳しい知識を持つ子は将来漫画やゲーム、アニメ等の制作で仕事をするかもしれない)。
好奇心から生まれる学びはずっと覚える、価値がある学びになる。押し付けられている学びは忘れられて、何の価値もない。だから、子どもの学びを子ども自身の好奇心に任せていこう。
Learning that interests you is easy to continue. Therefore, when teaching something to a child, I thought it would be better to teach the child in a way that interests him, rather than forcing him to do something.
hi yuki, thanks for your comment, see you in class!